2010年05月15日

エル システマ

EL SISTEMA このDVDを薦められた時、何のことかわからなかったが、見終わってその大きさに心打たれた。

あなたは、青少年の心を育てる仕事を考えなさいと言われたら、
何を切り口にしますか?

南アメリカにあるベネゼラのアブレウ博士は、クラシック音楽を取り上げた。
クラシック音楽の中でも、オーケストラを作ることから始めた。

お金のない日本では、考えられないことだ。

お金は、石油資源のあるベネゼラ政府の協力を得、会社や個人の寄付によってもまかなって行った。
政府が払うお金は年々増え、現在では65億円にのぼるそうだ。

特に、拳銃で人が1日に何人も殺される地域やスラム街に、講師を派遣し、
音楽を体験させ楽しむことから始めた。


子どもたちは、音楽の楽しさを学校で教わると、授業後の音楽学校へ通うようになった。

音楽は、心を暖かくさせ、向上心をもたらす力がある。
ましてや、家庭は破壊され、些細なことから拳銃を撃って喧嘩をする
恐ろしい地域より、学校がどれだけ楽しいことか。

1975年に地下駐車場に集まって、アンサンブルしたことがきっかけで、青少年のオーケストラ活動が始まったという。
今では、国内に300のオーケストラがあり、これまで35年間に100万人の子どもたち≪3歳から19歳≫が参加している。

その指導方法は、徹底して「あなたはできる」と個性を認めほめることだった。
演奏が十分でなくても「だめ」や「無理」を言わないで、常に前向きな指導を進めてきた。

今では、アメリカをはじめ、ヨーロッパ各地からこのシステムを、認め学ぼうとしている。

青少年の心を育てるために今、何をどうすべきか、大人は考え、そのための自己犠牲を担うべきだと思ってきた。
  


Posted by グリーングラスロッツ 酒向  at 23:09Comments(0)